赤ちゃんの筆(誕生記念筆)の制作工程

つくる筆の種類により、それぞれ必要な原毛を選び、量り組み合わせます。

もみ殼を焼いた灰をまぶし、火のし（アイロン）をした毛に鹿革をまいて揉みます。
毛の油分を抜き取り、毛の癖をとり、墨含みを良くするための行程です。

櫛抜きして綿毛を取り除いたあと、少量ずつ髪の毛を積み重ねそろえ、毛先の方向にすべて寄せていきます。

毛先を完全にそろえ、半差し（小刀）で逆毛すれ髪の毛を指先の感覚を働かせながら抜き取ります。良い毛だけを徹底的に選り抜きます。

命毛、のど、腹、腰と呼ばれる筆の先端から下部にかけての髪の毛を、それぞれの長さに切り分けます。

芯立てコマ（筒）に毛を入れ、太さを規格に合わせます。不必要な髪の毛をさらに抜き取り、乾燥させます。

髪の毛の根本を麻糸で結び焼ゴテを当てすばやく焼き締めます。

軸に接着剤を付け穂首をはめ込み、しっかりと固定します。

糊をたっぷりと含ませたあと、糸を巻きつけ軸を回しながら余分な糊をしぼりとります。
穂首の形を整えたら乾燥させます。